銀のしずくふるふる 金のしずくふるふる

「どこか痛むか?」

最後列から親父がきく。

ううん、別に、といおうとしたのに、口が違うことをいう。

「舞は? 白川さんは?」

すると全員が困ったような顔になった。

まさか、と俺は思う。

駄目だったんじゃ・・・・。

「東京にもどったよ。先週」

意を決したように小森がいった。

泣いているのか、小さな目が真っ赤だ。

こいつ、またウサギになってるって思う。

「おまえさ、半月くらい眠ってたんだよ」

佐藤が静かにいう。

「え?」

「だから、半月いっぱい植物人間になってたの、イヨマンテの夜から」

じれったそうに桜井が答えた。

こいつの目もウサギだ。

「会長、イヨマンテの夜に倒れて、そのまま眠ってたんすよ」

山中がよく通る声でいった。