泣きすぎてグルグルして わかんない。 奈良良いよ…?? あたし、 奈良行った事無いからわかんないよ…。 鹿がいっぱいいるのかな…? 「由岐、 違う事考えてるだろ」 顔を上げると、 ブスッとした顔をした幸輔がいた。 初めて見た顔にキュンとした。 「…ぇ…??」 「ほら。 だから、許すって事。」 幸輔が呆れて言った。 「何…で??」 「許してほしくなかった??」 「っ…ううんッッ!!」 必死に顔を横に振って答えると、 いつもの幸輔の笑顔があった。