「倉本さんって、河野友里って人と付き合ってるんすか?」





廊下を一人で歩いていたら、いきなり話し掛けられた。





「はぁ?」





つうか、誰だよ。お前は。




「俺、二年の浜島田って言うすけど、橋田さんとは仲良くさせてもらってます!」





あぁ、なるほどね。だから俺のこと知ってんだな。





「…………付き合ってないよ。 友達」




「えっ?!おっかしいな。 俺はぜってぇ付き合ってるかと思ってて、この間クラスの女子が倉本さんのこと好きなやつがいたんで、諦めろって言ったんです。 まず、相手にされないって。 倉本さん、あんまり女好きじゃありませんよね?」




「俺が健全な男子学生にみえないのか?」




「そういう意味じゃないっす! なんつうか、すぐには仲良くはなれないみたいな」




「……人見知りなんだよ」