制服から出るストラップを早くも見つけたのは新だった。



「爽、いいのつけてんじゃん」




と斜め前の席に、椅子に対して逆に座る新が言った。




「え? どれ?!…… あぁ!これね」




「どうしたの?」





俺は、つい、





「も、ももらった」





いきなりだったので、とっさに嘘がつけなかったうえに、どもってしまった。






「へぇ……」




明らかにおかしかった俺に、新は、なぜか突っ込んで来なかった……が、






「何何―?! なにそれ―?! どうしたよの?倉もっちゃん!」





と、橋田がいきなり話に割り込んできた。