ヒロシは夢を見ていた。

夢の中でのヒロシはマグロで、たった今漁船から陸揚げされて市場へ運ばれている所だった。

マグロのヒロシは思う(市場ではイイ人に買われたいなー、僕を最高級の料理に調理してくれる人がいい)

マグロのヒロシが台車に載せられて市場に運ひ込まれると、早速ワラワラと人が寄って来た。

その人々はマグロのヒロシを見て口々に言う。

「おおー、これはいいヒロシだ。こりゃ百円はいくねぇ!」

「いやいやこのヒロシは百五十円はかたいよ!」

(なんだよ僕はそんなに安くないぞ!って、いいヒロシって何だよ。僕はマグロだ!

いや?ヒロシでいいのか?あれ?何だっけ。

悩めるマグロなヒロシが良く見ると、周りではやし立てている人々は全員華だった!

「ぎゃぁ~~~!!」