電車から降りるとまた、寒さが体を包み込む。


菜々とは駅で別れ、あたしはバス停に向かう。



「まお、おはよ」


「優ちゃん、おはよ。
年賀状、ありがとう」


優ちゃんはこの冬休みは親戚の家に行ったりとかして、忙しい中も結構、楽しんだみたい。



「陽太くんもおはよう」


うー、やっぱり外は寒いよ。


コートの隙間から冷たい風が染み込んでくる。




「可愛い手袋だね」


優ちゃんがいち早く気が付いた。


冬休みになる前はこんな手袋を使っていなかったもんね。


だから、気付いて当然か。


「サンタさんからのクリスマスプレゼント」


「へー、良かったね」


「……… うん」


そのサンタはあたしの前を歩いている。


陽太くんと何を話しているか何て、サッパリ。


でも…… 楽しそうだな。


いっくんにしたら、クリスマスの事なんて、ただの遊びだったのかな?