自分の事を自分で『優しい』って、言う。 ちょっとおかしいサンタがやって来た。


こんな事するのは一人しかいないんだけどね。



「あっ、前田くんだよ?」


――― ビクッ!


いっくんの名前を聞くだけで、あたしの体は大きく反応してしまう。


チラッと階段に視線を向ければ、なんだか眠そうに階段を降りてくるいっくんを…… 発見。


「前田くん、おはよう。
今年も“まお”をヨロシクね」


「おはよう……
まおの事、面倒みるんで大丈夫です」


菜々!
あたしをヨロシクって、どう言うことなの!
あたしだって一人でちゃんと、できるんだからね。



「まお、風邪引くなよ」


むっかつくー!
菜々と話しているときはまだ眠そうな顔していたのに。


菜々と話終わったらあたしに視線を向けて、ニッと。 片頬を上げて笑った。



「“優しい”サンタからのプレゼント使ってんじゃん」


「意識過剰なサンタからのプレゼントですけどね」