「まおちゃん」


「なーにー」


「ヒマでしょ?」


ちょっと、理央ちゃん。
急に部屋に入って来たと思ったら『ヒマでしょ?』って……


そりゃ、ヒマだけど……



「用事は何なの?」


「一緒に“花火”やろ?」


花火!
それは夏の風物詩。
でも……


「どこにあるの?」


「パパが買ってきてくれたんだよ」


へー、そうなんだ。
知らなかった。


花火か、なんだか久しぶりかも。
今年は一度もやっていなかったからな。


「ね、いいでしょ?
一緒にやろうよ、まおちゃん」


「うーん…… いいよ、やろ」


たまにはいいかも。


時が過ぎるのは早く……
気が付いたら、もう夏休み。


あの日……
いっくんと公園に行ってからは、何も変わらない毎日。


でも、あたしの気持ちが違うのかな?


――― 毎日がキラキラしている。