‐白雪姫と悪魔なアイツ‐

　そんなあたしを見て薫くんは軽くため
　息を吐くと、｢あー｣とうなだれた。



　視線を上げると、薫くんは額を片手で
　押さえてて、何にため息をこぼしてる
　のかも分からない。



　暫く沈黙の空気の中。
　薫くんは額に当てていた手をのけなが
　ら苦笑いを浮かべた。



　｢さっきの聞いてた??｣



　反射的に首をブンブンと振る。



　すると、分かりきっているかのように
　クスリと笑った。



　｢俺好きな人いるからさ｣



　そう言って、今までないくらい切なそ
　うな表情であたしを見つめた。



　あたしは何て言ったらいいの…。



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