何を話していいかわからず
俺は電話を掛けれないで居た。


そんな美咲は今日も森先生
に付いて忙しく動き回って
いる。


美咲を見ているだけで
幸せな気分になれるのは
何故なんだろう?


今日も目が合った事に
胸がドキドキする。


そんな日々が続いていたのに…。


次の日にリハビリに行くと
美咲が居ない…。


いつも居るはずなのに…。


辺りを見回しても居ない…。


俺は自分の胸の真ん中が
痛くなるのを感じた。


会いたい…。


美咲に会いたい…。


結局…最後まで美咲に
会う事は無かった。


次の日も…その次の日も
美咲が居ない。


こんな時に限って山崎の
おばちゃんまでがリハビリ
に来ていない。


他の先生に聞く事が出来ず
今日も美咲に会えないまま
だった。


苦しい位に胸が痛い…。


こんな気持ちになったのは
初めての事だった。


美咲の顔が頭から離れない。


会いたい…。


声が聞きたい…。


俺は財布の中に入れ変えて
いたメモを取り出す。


山崎のおばちゃんが聞き出
してくれた美咲の電話番号…。


俺はもう自分の気持ちを
抑え切れなくなっていた。