ところどころ、壁に窓がついている。けれどどれも開くことはなかった。
「雨、ひどくなってきてるなあ……」
ふと足を止め、窓に触れる。
リーラ大丈夫かな。寂しがってないかな。
早く、またいつもの日常に戻りたい。
唇を噛み締め、また歩き出す。灯りが導くままに、歩き続ける。
「……まだなの?」
ぽつりと呟いた、そのとき、少し先に階段が見えた。
一段、また一段とのぼっていく。足音が少し響いている。
「人気のない、寂しい城内ね」
広いからこそ、さらに寂しさを放っている。こういうの、あまり好きじゃない。
私の心まで、沈んでいってしまう。
そんなことを思っているうちに、階段をのぼりきる。
「あ……ついた」
目の前に現れた扉は威容を誇るものだ。
「………」
深く息を吸い、鼓動を落ち着かせようとする。
( エル様の気分を害さないでください )
「……アイツの言いなりになんか、ならないんだから」
胸元を握りしめながら、扉をノックする。しかしいくら待っても、返事がない。
おそるおそる、彼女は扉を開ける。顔を覗かせ、中の様子を伺った。
灯り……は一応ついているけど、広いせいか薄暗いわね……。
どうしよう、入るべき? でもいつまでもこの状態も嫌だし……。
少しの間悩み、ももはようやく部屋の中に足を踏み入れた。


