自由になれてから、2日が経った。
あの日は、ずっと泣いて過ごした。
何故泣いたか、ハッキリした理由は分からない。

でも、悲しかった。

涙はなかなか止まってくれなかった。
でも、よくよく考えたら学校で会えるんだから。
泣く必要なんてない。
それに学校で会う事、それが普通なんだから。

でも‥‥



「今日も、休みなんだ」

昼休み、紅さんの靴箱を見に行ってみた。
ある筈の靴は無し。
今週2日間、連続で休みだなんて‥‥。

「あれ?もしかして今日も休みなわけ?」

後ろからの声に驚いて振り向くと、黒縁眼鏡を掛けた男の子が立っていた。
先輩、かな?

「どうも、君は確か‥ここ最近先輩と毎日登校していた子だね?」
「‥先輩?」
「ああ、ゴメンね。先輩ってのは紅の事。ちなみに僕は浦波 葵。時期生徒会長志望なんだ。よろしく」
「あ、はぃ」

って事は、紅さんが前に言っていた後輩ってこの人の事なのかな?

「最近、先輩が学校休み気味なんだけど‥なんか知らない?」
「い、いえ‥でも‥‥」
「でも?」
「あ、何でもありませんっ!」

初めて話したばかりの人に言えないよ。
‥‥紅さんの家に雇われていた、なんて。
すると、葵さんは独り言の様に言った。

「本当に珍しいな‥先輩が2日も連続で休むなんて‥。先輩は学校休んだりなんてなかなかしないのに‥」
「あのっ、学校休むのって珍しい事なんですか?」
「うん、多少熱があっても来るよ?でも、授業サボる事はしょっちゅうだけど」
「そうなんですか」
「‥もしかして、」



何かあったのかも。