翌朝ザワつく教室で沙織と語っていた。



ノロケんなって言われた…


だって…ね…





そう言えば…




卓君との事が気になって聞いみた。






「えっ?付き合わない?」



「…ぅん…」



沙織がまた卓君を振ったんだろうか…



「…ってか卓から付き合おうとは言われてないんだよね…」




は?…今、何て?





「友達から始めようって」


………。

「絶対好きにさせるからって…何、言ってんだかね…」





あらら…あら…

沙織…満更でもないんじゃないの…



…顔赤いですけど…





卓君って心広いんだね…


さすがに今まで沙織の事を思い続けただけの男だわ。




ふと窓の外に目をやると。



鈍よりした梅雨空が広がっていて。




中庭のベンチには人影はなかった。





季節は鬱陶しいのに、私の心はスッキリと晴れ澄みきっていた。