「百合-!!いてるかあ-!!」


店のドアを勢いよく開け、中を覗きこみながらあたしの名前を呼んでいるのは原田さん。


「いらっしゃい原田さん!連絡なしに来て…いっぱいやったら、どうなさるおつもりでしたの」


『言葉遣いは女郎たるもの美しくあれ』と女将は毎日言う。


従って、あたしは敬語が恐ろしく綺麗に使えるようになっていた。


「お前そんなもん、百合がおらんだら綾子に乗り換えるんじゃ!ははは!」


「原田さん酷いわあ。」


おどけたやり取り。