赤りんご







「何急に…からかわないでよ!」




恥ずかしさを隠すために、わざと明るく応えた。



でも…ビックリした。



好きな人を目の前に、こんなにドキドキしたのは初めてかもしれない。






「何だよ、本気で言ったのになあ」



心臓の音が水嶋くんに聞こえちゃうんじゃないかってくらい…ドキドキしてた。





でもね…すごく嬉しい。



好きだから…





水嶋くんの大きな右手が、私の頬を優しく包んだ。




「さっきは泣かせてゴメンな」



「もう、全然大丈夫だよ」




真っ直ぐで、力強いけど優しい目。



反らすことが出来ない。




「私、勝手に勘違いしてて恥ずかしいね…」



「ううん、俺は嬉しかった。」




ダメだよ…


のぼせちゃうくらい熱い。




悔しいけど…


そうやって水嶋くんは、いつも私の心を奪っていくね。