赤りんご






私…どうなっちゃうんだろう。




その時だった…




゙バン!!゙



すごい勢いでトイレのドアが開いた。



戻りたかった扉の向こう。



やっと、誰か来てくれた。




「オメエら何やってんだよ!!」



学校中に響き渡りそうなくらいの大声で…


まさか、来てくれるなんて思わなかった。




助けに来てくれたのは、亮太と彩花だった。




「亮太…」



三人は静まり返って、悔しそうに手を離した。



女子トイレにも関わらず、怖い顔をした亮太は『チアキ』に迫った。



私はその隙に、彩花がいるドア付近まで走った。




「りいちゃん大丈夫?」



「彩花…ありがとう…」



心配してくれる彩花の顔なんて全然見えなかった。



恐怖で涙が溢れて、視界はずっとぼやけたまんまだった。




「オマエ…何やってんだ?」



怒りを抑えようと亮太は唇を噛み締めていた。



でも、よく通る低い声はいつも以上に迫力があり、震えている。