赤りんご






よく見ると、三人のうちの一人は見たことがある。




たまにうちのクラスに来ていた気がする…



佐々木さんに会いに…




確か…『チアキ』とか呼ばれてた。


クラスは違うけど、同級生だ。




今やっと分かった。




佐々木さんとこの三人に、


私…ハメられたんだ…




『チアキ』という女が、起き上がろうとする私をまた突き飛ばした。




「やめてよ…」



「何でこんなブスが亮太と付き合ってんだよ!」



他の二人が高い声で笑いながら私を睨みつけた。




「チビだしブスだし、こんな地味なヤツ…亮太が相手にする訳ないじゃん?」



もう、何となく分かった。



あの紙屑もこの人たちの仕業…


『亮太』と呼ぶこの女は…きっと亮太の元カノだ。




「アンタに関係ないでしょ…」



震える声を振り絞って言った。



でも、本当は怖かった。




「は?聞こえないんですけど」



「だから…アンタに関係ないって言ってるの!」



張り上げた声はかなり響いた。