赤りんご






バレたのかな…


普段優しい先生だけど…



でも、何でわざわざ佐々木さんに伝言したんだろう…。



少し不安を抱えながら職員室へ向かっていた。




もう、すぐ目の前に職員室がある。





女子トイレの前を通り過ぎた瞬間…




「キャッ…!!」



誰かに腕を強く掴まれて、中へ引きずられた。




「痛いっ…!」



バタンと大きな音をたててドアは閉まった。



引っ張られた手が急に離されたので、よろけて地面に倒れてしまった。





恐る恐る顔を上げると、三人組の女子が私を囲むように立っていた。




「なに…?」



何これ…


意味分かんない…


何で…こんなことするの?




「うぜえんだよ!」



極端に短いスカート。


派手な化粧にピアス。



ケラケラ笑いながら見下す女…




コンクリートの温度が足にひんやりと伝わった。