陵がためらいながら


『玲菜、やっぱり俺……』


「やっぱり俺、エスカレーターで甲南大の医学部に行くよ。って、言いたいの??」


陵がガバッと顔をあげて、こっちを見つめる。


「はぁ…呆れた。あんたが行きたいのは、早慶大なんでしょ。くだらないこと言おうとすんじゃないわよ!!」


『ごめん…。でも、』


「でもじゃない!!!!!」


陵は、びっくりした顔してそして、少し微笑みながら、


『そうだな。ごめんな。俺もう迷わない。早慶大に行くよ。玲菜、ありがとう。』


そう言って、あたしを優しく抱きしめた。耳元でずっとありがとう、ありがとうって呪文のように繰り返し言いながら。


「落ちたら許さないからね!!」


『ふっ…はい。』


あたしは、陵の唇に唇を重ねた。


今日は、あたしがSぽかったかなあ。叶っちゃったな〜クリスマス前に…。


一足早いサンタクロースからの贈り物かな。

まあ、物じゃないんだけどねー…。




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