涙の欠片


学校に着くとこれといって変わった事はなかった。

でも、ひとつ違うと言えばアイツら3人は学校へは来て居なかった。

だからクラス中の人達もあたしをジロジロと見てくる事もなかった。


あの女達に何があったかは知らないが、あたしにはどーでも良かった。

だけど、ただ気になる事が一つだけあった。



リュウから見せられたあたしの教科書。

昨日、何故あの場所にリュウと翔平が居たのか…。

あの後、リュウとあたしは一緒に居た。翔平は何処かへ行った。なのに何故あたしの手元に鞄が返ってきたのか… 。


思いあたるのはただ一人…



昼休みあたしは屋上へ向かった。

静かな屋上でただ一人ベンチに仰向けになって寝ている男―――……



「………カズマ」


あたしは近くまで行き一馬に声を掛ける。

一馬は目の上に置いていた左腕を少しずらし額まで上げる。

そして一馬は何も言わずにチラッとあたしを見てすぐに目を逸らした。


6月半ばの風は少し汗ばむけれど心地いい。

静かな空間が嫌いだったあたしには何故だか分からないけれど今居るこの空間は凄く落ち着けた。


暫く経った後、一馬は額に置いていた腕を目の上まで下げ「どうした?」と口を開く。