「お前、一気に何個飲むつもりだ?利かねぇとか言っときながら飲むんじゃねぇよ。睡眠薬だって何個飲んでんだよ。下手すっとお前死ぬぞ」


低い声で言ったリュウの声は決して怒りの低い声ではなく凄く落ち着いた声だった。

あたしはリュウから目を逸らし俯く。

リュウはテーブルに手を伸ばしその上に置かれているタバコを取り口にくわえて火を点けた。


くわえたまま「あー…」と思い出したかのように声を漏らすリュウに、あたしはチラッと目を向ける。

向けた瞬間リュウと視線がぶつかり合い、あたしは慌てて目を逸らした。


「お前、タバコ吸ってんだろ」


そう言ってリュウはタバコをくわえたまま右ポケットに手を突っ込み、中からタバコの箱とライターをテーブルの上にポンっと置いた。

あたしの視界に入るのは、あたしのタバコでピンクのライターが自棄に目に飛び込んでくる。

何も言わずに、それに目を向けているとリュウはその横にある灰皿にタバコを打ち付けながら口を開いた。


「さっき姉貴から受け取った。吸うの止めろ」

「え?」

「よくねぇよ。身体に…」


そう言ってリュウは立ち上がり冷蔵庫を開けた。