涙の欠片


「お前、頭いてぇのか?」


コクンと頷くあたしに「いつから?」とリュウは訪ねる。

「1週間前。でも、もう飲んでも利かなくて…」

「じゃあ、これは何だ?」


拾い集めた薬を自分の鞄の中に入れ、あたしはリュウに目を向ける。

リュウの手の平にある睡眠薬を見て何て答えようか考えていた時、「寝れねぇのか?」と言うリュウにあたしは首を振る。


薬を見ただけでリュウは何の薬か分かっていた。

だから、もうどうしようもないと思った。


「じゃあ何で持ってんだ?」

「一気に寝る為に…」

「一気に?」


不思議そうに見つめてくるリュウに、あたしは恐る恐る口を開いた。


「寝ようと思えば寝れる。でも…1・2時間しか寝れない。怖いから…」

「怖い?」

「夢見るから。だから寝たくない…。だから、たまに薬飲んで深く深く寝るの」


ここまでくると、もうどうでも良かった。もう隠し続ける事もできないと思った。

何でも見破っていくリュウにはあたしの行動が全て読まれている気がした。


だから、もう…別にどうでも良かった。