涙の欠片


そう思った時だった。

この静まり帰った空間を何回も鳴るチャイムが遮った。


リュウはダルそうに立ち上がり玄関に向かって歩く。

カチャッと鍵が開いてすぐ明るい女の声が飛び込んできた。


「ごめん。ごめん。探すの苦労しちゃってさ…、入っていい?」

「あぁ」


玄関に目を向けると胸まである薄茶の髪を緩く巻き、小さな綺麗な顔でニコッとあたしに微笑む女の人の顔があった。


誰…?

もしかしてリュウの彼女?

そんな事を思っていると女の人は口を開いた。


「あたしリュウの姉。あたしも恵梨菜ちゃんと同じ学校だったんだ。それでまだ制服あったから持ってきたよ」


お姉さんか…。

何故だか分からないけど、お姉さんと聞いて凄くホッとした自分がいた。


お姉さんは紙袋から制服をチラッと見せて紙袋事あたしに差し出した。


あたしはすぐに立ち上がり「あの…」と小さく声を出す。


「あっ、サイズ合うかな?恵梨菜ちゃん細いしな…」


お姉さんは呟きながらあたしに紙袋を握らせ、もう一つ持っていた紙袋を開けた。