あたしは深く息を吐き出し、そっと腕から外した。
無数の傷で埋もれたその腕はもう一度リュウに掴まれリュウの目の前まで移動する。
そして、さっきよりもグッと眉が寄りリュウは目を細めた。
「何やってんだ、お前…」
そう呟かれた声は今まで以上に弱々しく擦れた声だった。
その声を聞き、自然に俯いていくあたしの顔の下に自分の左腕が戻ってくる。
「それ、いつやった?」
「…一年前」
そう言ってから“しまった”と思った。
一年前の事などリュウは何も知らない。なのに、また新たな疑問を投げつけるあたしは思わず俯いたまま目を瞑った。
その言葉に当たり前のようにリュウからは返ってくる。
「あ?…一年前?」
低く冷たい声は、あたしの胸を突き刺す。
もう取り返しのつかない行動に思うようにあたしの口は開かない。



