俯くあたしにリュウは一言も言わず車を発進させる。
何処行くの?とか、どーすんの?とかも口に出せないあたしはひたすら俯く。
エンジン音が自棄に耳に響きリュウは何一つ声を出さない。
10分ぐらい経ったんだろうか…。車はマンションの下の駐車場に入った。
エンジンを切りリュウは車から下り、あたしの座る助手席のドアを開ける。
それに従い、あたしはシートから背を離し車から下りた。
先行くリュウの後を着いて行き、6階まで着くと一番奥の扉の前で立ち止りリュウはキーケースに付いている何個かの鍵の内、1個を取り出し鍵穴に差し込んだ。
部屋に入ると1LDKのシンプルな部屋。
部屋の中心に置かれているガラステーブルの上にはビールの缶が無造作に置かれ、灰皿からはタバコが溢れかえっている。



