何食わぬ顔で女の手があたしの髪にさしかかった時、頭上から明るい声が飛んできた。 「恵梨菜ちゃーん。何してんのー?」 その明るい声にあたしの肩はビクッと上がり女達の手はピタッと止まり顔が青ざめていく。 「げっ!渋谷先輩」 「ヤバイって」 「何…。アンタ知り合いなの?」 女は睨み付けるように問い掛ける。 渋谷先輩…。 転校して来てから欠かさず聞く名前。誰もが知る当たり前の名前。 あたしは髪の毛からポタポタ落ちてくる雫を拭い顔を上に向ける。