涙の欠片


教室に入ると相変わらず馬鹿みたいな甲高い笑い声と、こっちに向くあたしへの視線。


“濡れてんじゃん”と混じって聞こえてくる“汚ねっ”と言う言葉。

別にいい。別に…


それよりあたしが思うことはリュウと翔平だ。

何故この学校にいるのか…。
何故この学校の制服を着ているのか…。


ふとあたしの頭に過ってきたのは徹の言葉だった。


“いいよなぁ高校生”

そう言って曖昧な笑みを浮かべる顔。

“俺も高校生”

そう言ってケラケラ笑っていた翔平の顔。


きっとリュウと翔平は一つダブっている…。だとしたらここに居るのは当たり前だ。

でも、あたしのあの姿を見られたならば、いつこの教室に来るのかも分からない。


あの人達には知られたくない。