もっとも1番見られてほしくない姿。
あたしは何も言わずに2人に背を向けた。
「おいっ、恵梨菜!!」
足を進めるあたしの背後から怒りのリュウの声が飛んできて、すぐにあたしの足は止まる。
小石を踏み潰す音とともに近づく足音がピタッとあたしの背後で止まった。
「何で濡れてんのか言え」
「…別に」
「あ?」
「ただ…汚れたから洗った」
冷静になって言った言葉が一気にリュウの言葉で潰された。
「お前、ここに水道ねぇだろ。しかも何で壁と地面が濡れてんだよ」
怒りなのか普通なのかリュウの声は途轍もなく低い声であたしの身体は微かに震えた。



