「えっ、恵梨菜ちゃん?」
そう言って掴まれた腕のままあたしの顔の前に一人の男の顔が現れ、あたしは目を見開く。
「……翔平」
「何してんの?」
そう言われた声はもっとも翔平から聞いたほどのない低い低い声だった。
戸惑うあたしにもう一人の足が近づいてきて軽く頭を撫でられた。
「何で濡れてんだ?」
その途轍もなく低い声をだす人は見なくても分かる。
リュウだ。
1度もあたしに口を開かなかったリュウがあたしの頭に触れ声を出す。
2個上の翔平とリュウが何で制服を着ているのかも分からず、ただあたしは目を泳がせ翔平に掴まれていた腕を離す。



