涙の欠片


「何かあったら言っとくほうがいいよ?」


何を思ったのか口を挟むように徹はうっすら笑いあたしに目を向け、その笑みにあたしは頷いた。

その横に居るリュウは何も言わずタバコを咥えたままジッとあたしに目を向ける。その視線が何か分かんないけど、あたしの事を見破られている感じがして、あたしはすぐに目を逸らした。


昔から人に言うと言う事はしなかった。親にも言わなかった。ってか、そんな事言えない。

と言うよりも、あたしにはそういった事を言う人達が居ないから…

一人だけ居たんだけど、その人は裏切った。言って同情なんてしてほしくない。

あたしはこの話題から避けるように目の前の道路に目を向け口を開いた。



「あの人達も知り合いなの?」


目の前を走り去る爆音の車達。その走り去る車に翔平と徹は目を向けて「あー…」とお互い声を漏らした。