涙の欠片


「恵梨菜ちゃんさぁ…。何かあんの?」


そう翔平が言ってきたのは数日経ってからだった。


「えっ、何が?」

「んー…。会った時から全然楽しそうじゃないじゃんってか暗い」


翔平はいつもより声のトーンを下げタバコを咥える。


「そんな事はないとおもうけど…」


そう言って、あたしはうっすらと笑い誤魔化す様にオレンジジュースを口にした。


「そう…」

「うん」


“何かあんの?”って事は一体、何の事だろうとあたしは思う。

いっぱい思い浮かぶから何の事か分かんない。だけど翔平が言ってきた事は全てに関する事なんだろう。