涙の欠片


放課後になるといつもと変わらず一馬は待っててくれる。

と、言うかあたしが勝手に送ってもらってるんだけど…。


「今日も宜しく」


そう言って一馬に駆け寄ると「あぁ」って呆れた様にフッと鼻で笑い、いつもの笑みを見せてくれる。


「ねぇ、今日はチャリで来た?」

「原付」

「なんでよ、チャリで来てよ。落ちるじゃん」

「んな事知らねぇよ」

「ひどっ」


あたしは一馬に向かって頬を膨らました後、笑みを漏らし、その笑みに一馬も答えてフッと笑う。

いつも通り一馬が原付を停めている場所に向かい、一馬の後ろに跨ろうとした時、怒っている様な呆れている様な声が背後から聞こえた。



「おい。…綾瀬」