涙の欠片


「恵梨菜おはよ」

「おはよ」


あの日から数日間、あたしは学校を休んだ。

そしてそれから2週間、いつも通りに毎日学校へ行った。

朝の教室に入ると美沙は明るく笑顔であたしに声を掛けてきてくれる。



「おーい、綾瀬。また遅刻かぁ?最近目立つぞ」

「すいませーん」


担任の声にダルそうにぼやくと、目の前で美沙はクスクス笑ってあたしの机の上に紙切れ一枚をポンっと置いた。


「何これ…」


そう言って、あたしは紙切れを手に持ち眺める。


「また進路希望だって」

「ふーん…」

「ねぇ、恵梨菜はどーすんの?進学?」

「あたし、この街から出ようと思ってる」


手に持っている紙を机の中にそっと入れた。

この街を出て、そこからもう一度やり直したい。

時間掛かってもいい。ただ、あたしのやりたい事を少しずつ見つけだしたい。