足を進めて空き地から出ようとした時、「…恵梨菜」と、リュウの小さな声が聞こえ思わずあたしの足は止まった。
「お前の事、一度も忘れた事なんてねぇよ。お前が離れて行った後、必死でお前の事忘れようとして他の女、抱いた。でも、そんな事してもお前の事忘れる事なんて出来なかった。
今でも恵梨菜の事、想ってる…、だけど俺じゃ駄目だ」
「何でよ!!あたしリュウの事、好きだよ?リュウだって、あたしの事想ってるって言ったじゃん。なのにどうして…」
あたしは勢い良く振り返り、リュウに向かって叫んだ。
リュウとあたしの距離はそんな開いてないのに、何だか凄いリュウが遠くに感じた。
リュウは運転席のドアを開けたまま、その前で両手をポケットに突っ込んだままあたしを見る。
「…俺自身が嫌なんだよ」
リュウは自分自身に問い掛けるように呆れた声を出し、深く息を吐き俯く。



