リュウは繁華街から離れて人気の少ない路地へと入って行く。
そんなリュウの後をあたしは何も言わずに着いていった。
路地の奥へと進むとちょっとした空き地があり、そこには何台か車が停まっていてリュウは白いセダンの前で止まった。
上半身裸になったリュウは運転席を開け、着ていたジャージを中に投げ捨てる。
そして乗り込もうとした時、「リュウ…」とあたしは名前を呼んでいた。
その声でリュウの身体は止まり、こっちを振り向く。
「…んだよ」
リュウは低い声を出し、ダルそうにあたしを見る。
思うように口が開かないあたしにリュウは言葉を続ける。
「お前に用はねぇ」
冷たく吐き捨てて車に乗り込もうとするリュウにあたしは駆け寄り、リュウの腕を咄嗟に掴んだ。
「待って…、待ってよ」
「んだよ」
「あたし…。あたし、今でもリュウが好き」
「あ?お前、今さら何言ってんだ?」
そう言ってリュウは眉間に深いシワを入れ、冷たい目付きであたしを見下ろした。



