涙の欠片


「恵梨菜ちゃん、追い掛けろ」


不意に聞こえてきた徹の声であたしの足は動いていた。

両手をポケットに突っ込んでズカズカと階段を降りて行く後、あたしは頬を伝っていく涙を拭いながら降りていく。



「邪魔だ」


古びたビルの外に出ると、沢山の人で埋もれている人達にリュウは低い声を出す。

その声で一斉に周りにいた人達は道を開ける。



「神崎先輩、また派手にやっちゃったね」

「あの後ろの女、誰だろ?」

「さぁ…、また女変わってんじゃん」


そんなヒソヒソ話の中、リュウは開かれた道の真ん中を歩いて行く。

その後をあたしは俯きながら着いて行った。


なんか、胸が痛い…

苦しい。