「止めてよ…、…リュウ」
震えた声に涙が走る。
「どけよ。俺の前に現れんじゃねぇ」
とてつもなく低い声で吐き捨てた後、麗さんの声が飛んできた。
「リュウ!!いくらなんでも言い過ぎじゃんか!!そこまで―――…」
「うっせぇ!!俺に口出しすんじゃねぇ」
麗さんは唇を噛み締めて少し身を引く。
そんな麗さんを見たあと、あたしはリュウを見上げた。
「…リュウ。お願いだから」
「帰れ」
「嫌」
「帰れ!!」
リュウが叫んだ後、翔平がリュウの胸元を勢い良く掴みかかる。
「お前、いい加減にしろよ」
「あ?」
「恵梨菜ちゃんにも麗にもキレる事ねぇだろ」
翔平の言葉でリュウの眉間に深くシワを掘る。
リュウの手に力が入っていくのが分かり、あたしは咄嗟に叫んで抱きついた。
「やめて!!」
勢いをつけて抱きついた所為か、リュウは後ろに何歩か足を動かす。
「お願い。リュウ…、本当に止めて」
あたしの啜り泣く震えた声で言うと、リュウ小さく舌打ちをしてあたしの身体を突き放し階段に向かって歩いて行く。
そんなリュウの後ろ姿をジッと見つめてあたしは唇を噛み締めた。



