涙の欠片


「それはお前が思ってるだけだ。……人間は再生できる」


何故かその言葉が胸にジン…と響き、あたしは恐る恐る一馬に目を向けた。

一馬は口角を上げ、原付に跨り後ろをポンッと叩く。


「乗れ」

「……は?」

「送るっつっただろ」

「乗れって、原付でどーやって2人乗んのよ」

「乗れるだろうが。早くしろよ」


面倒くさい声で一馬はそう言って、あたしは一馬に密着しながらも後ろに乗る。


「ちょっ、落ちそう」

「落ちても俺は知らねぇぞ」


後ろを振り向いてうっすら笑う一馬に「ひどっ!!」と声を上げて、あたしもうっすら笑う。


「ねぇ、メットは?」

「んなもんねぇよ」

「はぁ?」

「んじゃ、行くぞ」


あたしが一馬の腰に腕を回すと同時に一馬はエンジンを掛け、発進させる。