「早くしろよ」
完全に履き替えている一馬にハッとし、あたしは急いで靴に履き替えて一馬の後を追った。
雨もいつの間にか上がっていて、ジメジメとした空気がいつもなら嫌なのに今は全然嫌じゃなかった。
一馬はいつもと違う方向に向かって歩き、校舎の裏に着くと原付が停めてあり、一馬はその場で足を止めた。
「なぁ、恵梨菜?」
急に落ち着いた声を出した一馬にあたしは不思議そうに見上げる。
「何?」
「自分を守っていく自身ないって言ったよな、お前…」
突然、声が低くなった一馬と話の内容からしてあたしは何も答えられなくなった。
そんなあたしを見つめてくる一馬にあたしはゆっくり目を逸らした。



