涙の欠片


「いいの?一馬、モテてるみたいだし…」


って、これは美沙が言っていた。


「思わせとけばいいだろ。うっせぇ女は興味ねぇし」

「ホント一馬は冷たいよね?凄い前に翔平が言ってたよ?」


そう言って笑いながら一馬の隣に並ぶと、「お前も冷てぇ女だからな」と言って、一馬はフッと鼻で笑う。


「何で、あたしが…」

「初めて会った時、すげぇ冷たかった」

「それは昔じゃん」


下駄箱まで来ると一馬は「…だな。ずっと今のままでいろよ」と、そう言って一馬は自分の下駄箱に向かう。


そんな一馬の背中をあたしはずっと見つめていた。

一馬の優しく笑う顔と言葉で、あたしは影から何度助けられたんだろう。

ちょっと冷たくって硬派な男。


そんな一馬とずっと友達でいたい…と、あたしは思う。