一馬は「あー…、」って語尾を伸ばせながら一旦、視線を落としてからあたしに目を向けた。
「面倒くせぇ友達って奴かな…」
「面倒くせぇって要らなくない?」
「どうだか…」
一馬は曖昧に答えて曖昧に笑い、あたしに背を向けて足を進めて行く。
だけど、あたしはホントに面倒くさい女だ。
それは自分でも分かってるし、これだけは否定できない。
だから一馬が言った“面倒くせぇ友達”って言葉が、なんだか異様にあたしを安心させた。
「おいっ!!」
階段から叫ぶ一馬の声にハッとし、あたしは階段を掛け下りる。
まだ、ちらほらと生徒達がいる中、あたしと一馬は隣に並んで歩く。



