涙の欠片


どれくらいの時間が経ったのかも分からなくて、あたしが泣き止んだ頃には雨も少しずつ小降りになっていた。


頬に伝った涙を親指で拭い「ごめ…」とあたしは小さく声を漏らす。


「ううん。送る」


そう言って一馬はあたしの頭をクシャっと撫で、うっすら笑みを漏らした。

教室に戻って自分の鞄を肩に掛け、廊下に居る一馬の所に駆け寄った。

あたしに気付いた一馬は口角を上げ、壁から背を離し足を進める。


その一馬の背中に、「ねぇ…、」とあたしは声を掛けた。


「ん?」


一馬はゆっくり振り返りあたしを見つめる。


「あのさ…、あたしと一馬って何?」

「は?」

「だからその…、他人?知り合い?友達?それともただの元クラスメイト…」


一馬は急に何言ってんだって言う表情をしてあたしを見つめる。

そんな事は当たり前だけど、一馬はあたしとの関係をどう思ってんのか知りたかった。


もしかしたらめんどくさい女って思われてるのかも知れない…。