涙の欠片


「俺は駄目だ。お前を守んのはリュウさんしかできねぇ」

「は?何それ…。何でリュウが出てくんの?もう、関係ないじゃん!!」


あたしは一馬を見上げて勢い良く声を張り上げた。

その拍子に一馬の手があたしの頭からすり落ちる。


「お前、まだリュウさんの事―――…」

「一馬!!」


あたしは一馬の言葉を遮り睨みながら一馬の名前を叫んだ。

その先は言われたくない…


一馬はめんどくさそうに小さく舌打ちをし、深く息を吐く。

そのまま壁に背をつけポケットからタバコを取り出し指に挟む。


「これだけは言っとく」


そう言って指に挟んでいたタバコを咥え火を点ける。

深く煙を吸い込んだ後、空を見上げながら一馬は煙を吐き出した。


そして、あたしは一馬の言葉を待った。