涙の欠片


「えっ、いいんですか?」

「うん、いいよ。リュウの奢りだし」


翔平は腰を下ろしてあたしの手にオレンジジュースを握らせる。

手にあるオレンジジュースを見てから、ゆっくりと視線を前に向けリュウを見た。


「あの…ありがとうございます」


リュウはタバコを銜えたまま2回頷いた。この人は話さないのだろうか…

そんな事を思っていると「恵梨菜ちゃん高2だって」と徹が口を開く。


「えっ、高校生?俺と同じじゃん」

「えっ?」


思わずあたしは声を出し、何を言ってるんだこの人は…と思った。


「俺も高校生」