もう…、あたしの事なんて忘れてると思ってた。
一馬だって…、一馬だって、あたしが断ってから一度も話してくれなかったし見ようともしなかったから、あたしの事なんて忘れてると思った。
あの人達の中では、あたしと言う存在は消えてるんだと思った。
「あたしの事なんて忘れてると思った」
「忘れてねぇよ。みんな…」
その一馬の言葉で急にあたしの胸がきつく絞められたような感覚になった。
フェンスをきつく握るたび、あたしの中に潜めていた不安が爆発しそうになる。
遠くの方に立っている木の葉が生暖かい風に吹かれてユラユラとしている。
まるで、あたしの気持ちと一緒にユラユラ揺れ動いている。
もう、嫌なんだ…。
何もかもが…、怖いんだ。
そんなあたしの気持ちが一気に破裂し、あたしは口を開いてた。
「………ねぇ、一馬?」
「ん?」



