涙の欠片


教室、廊下…

あらゆる所から下校して行く生徒達の騒ぎ声が聞こえてくる。

ポツンと残ったあたしは1年ぶりに屋上へと向かった。


誰も居ない屋上。
扉を開けて大空を眺める。


真っ青な空が今日はグレーの雲で覆われていて、今にも雨が降りそうだ。


あたしは金網のフェンスの前に立ち、運動場を眺めた。

ゾロゾロと姿を消していく生徒達に目を向けながら、あたしはスカートのポケットに収めていたタバコを取り出す。

タバコをくわえて、カチッと微かなライターの音を響かせながら火を点けた。


やっぱし、あたしにとっての快楽ってこれなのかも知れない。

薬に溺れてタバコに安らぎを感じる。


はっきし言って、もう疲れたんだ…




「おい、派手女。」


暫く経った後、低い声が屋上に響き、あたしは口にくわえていたタバコを離し後ろを振り返った。


「………あっ、」


久し振りに見た顔に思わず言葉を失った。