涙の欠片


「お前、毎日誘ってると恵梨菜ちゃん疲れるだろ」


そんな直人の声に美沙は顔を顰める。


「うーん…。そうだよね」

「ごめんね、恵梨菜ちゃん」


呟く美沙の後、直人が手を合わせてきた。


「ううん、いいよ…。また誘ってね」

「じゃあ、明日ね」

「馬鹿かお前は!!早すぎんだよ!!」


そう言って直人は美沙の頭をバシッと叩く。


「いったぁーっ!!別に叩かなくってもいいじゃん」


美沙は声を上げ自分の後頭部に手をやり軽く撫でる。

そんな光景に思わずあたしは苦笑いをした。


「じゃ、恵梨菜ちゃん、ゆっくり休んで。こいつ連れて帰っから」


そう言って直人は美沙の腕を引っ張りながら教室を出て行く。


「え、恵梨菜。またねぇー」


美沙は直人に引きずられながら顔だけを後ろに向け大きく手を振る。

そんな美沙にあたしも笑いながら軽く手を振った。