涙の欠片


「そうかもね…」


小さく呟くあたしに美沙は恐る恐る目線を上げ、「ごめ…」と声を漏らす。


そんな顔を顰める美沙にあたしは口を開いた。


「でもさ、これだけは聞いてほしい。半年ぶりにリュウ見た時からリュウへの想いは膨らんでた…。
でも…、忘れなきゃいけない」

「何で?」

「ほら、さっきも見たじゃん、リュウの顔。あたしに対して何も想ってない。避けるように逸らして、まるで赤の他人だよ。まぁ…、もう赤の他人なんだけどね。それに別れを切り出したのは、あたしだし…」



もう…、

考慮する事、事態めんどくさい。

何もない先の事ばかり思って考えているだけでも疲れてくる。


じゃあ、頑張って前に進めばいいじゃんって思うかもだけど、それがあたしには出来ない。


「でも、恵梨菜は――…」

「もういいよ」


あたしは美沙の言葉を遮り、うっすら笑みを漏らした。