涙の欠片


「恵梨菜って吸うの?」

「え?」

「ほらタバコ」


美沙はあたしの指に挟まっているタバコに指差す。

あたしは目線をタバコに向け「あー…、うん」と頷いて返す。


「へぇー、今まで知らなかった。それって神崎先輩と別れてから吸い始めたの?」


美沙は少し表情を曇らせて言う。

そんな美沙をチラッと見て、あたしはタバコを咥えたまま首を横に振った。

煙を吸い込んで窓の外を見ながら吐き出す。


「いや…、これはリュウと付き合う前から。でもリュウと付き合いだしてから止まってた。
でも…、達也と別れてからすぐ気付けば吸ってた」


灰皿にタバコを打ち付けながら話すあたしに、美沙は手に持っていたフォークを一旦置き、水を口に含む。