涙の欠片


「恵梨菜さ…、」


そう言って美沙はグラスをコンッと置くと、「さっき神崎先輩見てどー思った?」と言ってあたしをジッと見てきた。


「は?」

「だから、さっき見て」

「……別に」

「じゃあ、何で立ち止まってずっと見てたの?」

「さぁ…」


素っ気なく返すあたしに美沙は深くため息をつき、

「忘れたとか言って、まだ想ってんじゃん」

と呟きながら美沙は窓の外を眺める。



リュウの事は本当に忘れていた。

でも、コンビニで1度見掛けた時からまた気になってて…


はっきし言って、さっき隣にいる女に嫉妬した。



苦しくって、

切なくって、

辛くって、



でも…

もう戻る事なんて、今更できないよ…。


早く忘れなきゃいけない。